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2013年9月12日木曜日

バッハカンタータBWV12とヴィヴァルディPiango, gemo, sospiro e peno




このバッハカンタータ12番の二番目の合唱が、ロ短調ミサに転用されているのはよく知られている。






あるいはカール・リヒターなら、以下、(13:51)17.Crucifixus.



だが、カンタータBWV12の合唱そのものが、ヴィヴァルディの世俗カンタータの転用らしい。ロ短調ミサのなかでもっとも崇高な箇所のひとつが、イタリアバロックのなかでは品が欠けるという評価を受けることもあるヴィヴァルディの愛のカンタータからの借用ということになる。


◆カンタータ第12番<泣き、嘆き、憂い、怯え>;(BWV12)研究 片岡啓一(ウェブ上PDF)

周知のごとぐ、<ミサ曲ロ短調>はその多くの部分が、かつてバッハ自身が作曲したカンタータの転用であり、カンタータ第12番<泣き、嘆き、憂い、怯え> (BWV 12) は、その原曲のうちでも最も古い時代のもの(1714年作曲)として知られている。しかもその転用された部分(第2曲)は、<ミサ曲ロ短調>の中心部分(第16 (17) 曲の合唱)であって、同曲の最も興味深い箇所といっても過言ではないくニケア信経>;の<十字架につけられ> (Crucifixus…)である。(……)

なおこの第2曲については、フリードリヒ・ブルーメ(PriedrichBlume 1893・1975)が彼の著「バッハの青年時代J (IDer junge BachJ Moseler Verlag,W olfenbuttel und Zurich 1967)中で、ベルンハルト・パウムガルトナー(BemhardPaumgarthner 1887・1971) が行った指摘を貴重なものとして紹介している。それによると同曲は、アントーニオ・ヴィヴァルディ(AntonioVivaldi 1678-1741) の世俗的な愛のカンタータ<泣き、嘆き、憂い、怯え>(Piango, gemo, sospiro e peno)を原曲として、それに倣って作曲されたとのことである。即ち同曲は、歌詞も音楽もヴィヴァルディの室内カンタータのパロディーであるというのである。