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2014年11月11日火曜日

マリラ・ジョナス マズルカ

◆Maryla Jonas plays Chopin Mazurka op. 68 no. 4


マズルカは3/4で、第三拍を強調するといわれる。 (……)しかしマズルカはいったい3/4なのか?(……)

マズルカの第三拍のアクセントとは、たとえば2/ 4+3/8や、 2/4+5/1 6 であったはずのものがショパンの 1 9 世紀的耳にきこえた転移現象ではなかったか。おそらく現在のマズルカは、そこから逆に3/4に整理されてしまっているだろう。 」(高橋悠治 「スクリャービンとの距離」 『ことばをもって音をたちきれ』所収)

◆ Chopin - Maryla Jonas (1946) Various Mazurkas from LP Columbia Entree RL6624




マリラ・ジョナス(Maryla Jonas, 1911~1959年)
ライナーノーツによると、彼女は、1920年、9歳でデビューし、1926年頃からは全ヨーロッパでリサイタルを開くようになります。しかし1939年、ナチス・ドイツのポーランド侵攻によって、演奏活動は中断、彼女は強制収容所に収監されてしまいます。7か月以上収監された後、マリラ・ジョナスの演奏を聴いたことがあるドイツ人高官の手助けを得て脱走、徒歩で数か月かけてベルリンのブラジル大使館まで逃亡し、ブラジルへ亡命します。その後、アルトゥール・ルービンシュタインに見出され、1946年にアメリカでのデビューを果たします。このリサイタルを聴いたニューヨーク・タイムズの評論家が彼女を絶賛し、次第に人気がでるようになりますが、厳しい収容所生活のせいもあり、1959年にわずか48年の生涯を閉じてしまいます。

[Photos of Maryla Jonas with a friend, undated.]