なんだよ
オレはこのところ機嫌が悪いんだよ
血圧が高くて
酒をこの一〇日ばかりやめてんのさ
パイプタバコはやめられねえ
ブログの題だって?
このbloggerってのは
台無しでも投稿できるんだよな
以前「無題」って題を頻用したけどさ
たいして読まれたくないときもあるってことさ
じゃあなんのためかって?
言語による減圧化ってのもあるだろ
アリバイのために公表するってとか
まあ公表は象徴界への登録ってわけさ
だいたいなになにとはなにか
なんて題ばかりつけて解説書いてる
はしたない輩がいるけれどさ
さむいぼたつね
どこかの馬の骨が教師ぶりたいだけさ
分かってしまったこと書いても仕様がないだろ
無知蒙昧の人間へのサービスかい
オレにはそんなものは爪の垢ほどもないね
「自分が知らないこと、あるいは適切に知っていないことについて書くのではないとしたら、いったいどのようにして書けばよいのだろうか」(ドゥルーズ『差異と反復』)
だよな
詩に題をつけるなんて俗物根性だな
ぼくはもちろん俗物だけど
今は題をつける暇なんかないよ
題をつけるならすべてとつけるさ
でなけりゃこんなところだ今のところとか
庭につづじが咲いてやがってね
これは考えなしに満開だからきれいなのさ
だからってつつじって題もないだろう
つつじのこと書いてても
頭にゃ他の事が浮かんでくるよ
ひどい日本語がいっぱいさ
つつじだけ無関係ならいいんだけど
魂はひとつっきりなんでね
――谷川俊太郎「夜中に台所でぼくはきみに話しかけたかった」より